L3Harrisは2026年10月20日、アーカンソー州カムデンで固体燃料ロケットモーター工場を開設した。同社によると、誘導ロケットシステムGMLRS向けの現在の生産能力を2倍にする設計となっている。開設に関する発表では、新しいArsenal of Freedom工場と追加の推進剤処理施設が、米陸軍の精密ロケット計画を支えるとしている。
開設は重要な供給企業の設備拡張を意味する。ただし、生産ラインからすでに2倍のモーターが出荷されていることを示すものではない。L3Harrisは工場の設計上の能力を説明したが、実際に達成した年間生産数は公表していない。
受注が決まっている新工場
開設の8日前、L3Harrisはロッキード・マーチンから2億5,000万ドルの追加契約を受注したと発表した。対象は標準射程型GMLRSの推進装置だ。同社は、床面積6万平方フィートの新棟で作業を行うとしている。
契約の発表では、数量は計画史上最大とされたが、モーターの個数は明かされなかった。製造の効率化に向けた自動化やロボット技術も挙げている。
この受注により、新工場が担う生産業務は明確になった。公表された契約内容は推進装置に関するものであり、その金額を完成したロケット、発射機、あるいは砲兵システム全体の購入と解釈すべきではない。
連邦政府の投資は2023年に開始
工場の資金調達の経緯は3年以上前にさかのぼる。2023年4月14日、米国防総省はエアロジェット・ロケットダインと2億1,560万ドルの協定を発表した。アーカンソー、アラバマ、バージニア各州の施設を拡張・近代化するためだった。
投資の対象は一つの建物や一種類の兵器に限られない。公表された目的には、生産ラインの集約、設備購入、GMLRS、ジャベリン、スティンガーの製造工程改善が含まれていた。
米国防総省は、これらの兵器をウクライナに供与した後の米国在庫の補充と、工事を明確に結びつけた。10月の開設はその産業面の対応における具体的な節目であり、キーウへの新たな移転の発表ではない。
2億1,560万ドルの協定と2億5,000万ドルのモーター発注は、支払う対象も異なる。前者は複数拠点での産業基盤拡張を支援し、後者はGMLRS推進装置の生産を発注する。
工程間の移動を減らす配置
カムデンでの実際の変更点は工場の配置だ。L3HarrisはGMLRS製造計画の説明で、以前は三つの建物に生産が分かれていたと述べている。工程をまとめることで、製造中にモーターが移動する距離を80%短縮する狙いだ。
この数字は生産工程内の移動を指す。製造時間や費用を80%減らすという意味ではなく、同社の説明はそのどちらも裏づけていない。
新工場は、床面積の拡大と生産の流れの変更を組み合わせている。L3HarrisはGMLRS向けの電子式安全・起爆準備装置と近接センサーも製造しており、その役割はモーターだけにとどまらない。
Military Ledgerの供給企業や工場を通じた兵器増産の解説が示すように、利用可能な能力と、持続的に得られる生産量は別の問いに答えるものだ。カムデンには新棟と発表済みの受注がそろった。投資がどれほど早く使用可能な追加弾薬に変わるかは、生産数と納入数が示すことになる。