レイセオンは2026年10月8日、スタンダード・ミサイル3ブロックIBの製造と維持支援について最大63億ドルの契約を獲得したと発表したと、RTXの声明が伝えている。Breaking Defenseは契約機関を米ミサイル防衛局(MDA)と特定し、基本期間5年に2年の追加オプションが付くと報じた。
基本部分は約44億ドルで、追加2年のオプションは20億ドル近いと、Breaking Defenseが報じた。RTXの発表は63億ドルを基本5年だけの金額ではなく、オプションを含む最大額として示している。RTXはオプションがすでに行使されたとは述べていない。
迎撃ミサイルと発射プラットフォーム
RTXはSM-3ブロックIBを、短距離から中距離までの弾道ミサイルを飛行中間段階で迎撃する海上・地上配備型のミサイルと説明する。レイセオンの技術解説によれば、SM-3系列は直接衝突の運動エネルギーで目標を破壊し、ブロックIBは2色赤外線シーカーと改良された操縦・推進能力で迎撃を誘導する。
MDAのイージス解説は必要な装備を備えた米海軍の巡洋艦と駆逐艦を海上弾道ミサイル防衛の基盤とし、海軍のMk 41資料はタイコンデロガ級巡洋艦とアーレイ・バーク級駆逐艦を同垂直発射装置の搭載艦に挙げる。海軍のイージス資料はMk 41の改修がSM-3に対応すると明記しており、互換性にはシステム構成が関係する。
地上運用については、DVIDS掲載の国防当局の試験報告がイージス・アショアの垂直発射装置からのSM-3ブロックIB発射を記録し、艦載型に非常に近い構成と説明している。これらはプラットフォームの適合性を示す公式資料だが、RTXの契約発表は新規発注分を特定の艦や地上拠点に割り当てていない。
長期の製造契約が持つ意味
調達担当のマイケル・ダフィー氏は、契約がメーカーの生産見通しを安定させ、下位サプライヤーの製造上の制約に対処すると述べたと、国防当局の発表を伝えたBreaking Defenseが報じた。Breaking Defenseは2月の枠組み合意とのつながりを示し、長期購入を重要弾薬の増産政策の一環に位置付けており、新型迎撃ミサイルの設計発表とはしていない。
RTXは作業の中心をアリゾナ州ツーソンとアラバマ州ハンツビルとし、ミサイル防衛在庫の補充を支える契約と説明する。一方、ロイターは議会の資金手当てが不足すれば工場や供給網への投資が遅れるとの業界幹部の警告を伝えており、複数年契約だけでは追加生産能力がすでに利用可能とは判断できない。
発表されていない情報
RTXの10月8日声明はミサイル数量、特定の計画担当部局、納入日程を開示しておらず、Breaking Defenseも数量の欠落を別途指摘している。Breaking Defenseが特定する機関はMDAであり、この名称を未公表の計画担当部局の名称と置き換えたり、部局を推定する根拠にしたりすべきではない。
RTXの発表にある基本5年とオプション2年は契約構造を示すもので、個別納入の日程ではない。RTXの発表は単価、年間生産目標、顧客別配分も示していないため、最大契約額から実戦用在庫に入る迎撃ミサイルの数量や到着時期を確定することはできない。